六郷のカマクラ行事

「協働ってなんだろう」「協働の事例」

 

○天筆キャンドル
事業協力.png 【参加団体】
○六郷のカマクラを考える会
○美郷若者会議
○秋田県立六郷高校
○特定非営利活動法人みさぽーと


 毎年2月11日から15日まで行われる美郷町の「六郷のカマクラ行事」は国の重要無形民俗文化財に指定されている、年ごいや悪魔祓い、年占いなどが一体となった行事です。
天筆キャンドル

 六郷のカマクラ行事は、約700年の歴史があり重要無形民俗文化財となっています。現在は「蔵開き」「天筆書き」「天筆建立」「鳥追い小屋」「松にお焼き」「竹打ち」「鳥追い」「天筆焼き」などの一連の行事を総称して、「カマクラ」といいます。伝統ある六郷のカマクラ行事ですが、「竹打ち」での乱闘が年を重ねるごとに酷くなり「もうやめてしまえ」という声も聞かれるようになってしまいました。

 平成22年、地元の有志が放課後の六郷高校を会場に、打ち手の他、観光関係者、行政職員、六郷高校の生徒ら20人のメンバーで知恵を出し合い、さらに公開座談会で一般町民からの意見も取り入れ、解決策をまとめ「六郷カマクラ保存会」に提言しました。

 祭りが本来の姿を取り戻し、より魅力的な伝統行事に生まれ変わることを願ったこの提言を、六郷カマクラ保存会が受け止めてルール作りをし、各町内に働き掛けました。こうした取り組みが実を結び、参加者や観光客も徐々に増えはじめたころ、有志の集まりは「六郷のカマクラを考える会」と名前をあらため活動を継続することにしました。会では「六郷カマクラは写真と記憶以外に持ち帰るものがない」という意見があったことから、『天筆グッズ開発プロジェクト』を立ち上げ、観光で訪れた人向けの土産物を作ることにしました。

 このプロジェクトは六郷のカマクラを考える会に参加した「美郷若者会議」が中心となりスタートしました。プロジェクトでは美郷若者会議が以前別の事業で取り組んだロウソク作りのノウハウを生かした「天筆キャンドル」や「天筆ネクタイ」などのアイデアを提供し、お土産品の製作を行うことにしました。

天筆キャンドル

 美郷町の「特定非営利活動法人みさぽーと」では様々な団体からの相談を受けボランティアコーディネートをしています。「地域と関われるボランティア活動がしたい。」という「六郷高校教養部」からの依頼があり、天筆グッズ開発プロジェクトを紹介しました。

 天筆グッズ開発プロジェクトはボランティアで活動していますが、カマクラ行事の他の活動と兼任しているメンバーが多く、またキャンドルの製作はすべて手作りで行っていることから、多くの人手を必要としていました。そうしたなか高校生のボランティアが加わったことで、短期間で50個の天筆キャンドルを制作することができました。

 ボランティアに参加した高校生は、天筆キャンドルを製作し六郷のカマクラ行事に関わりました。こうしたものづくりや、教養部として初めて地域貢献活動を行ったことがとても楽しく刺激になり、翌年も継続して天筆キャンドル作りを行うことになりました。3年目となった今年(2015)も高校生ボランティアは天筆キャンドル作りに参加し、以前参加したOBも活動が気になり様子見に訪れ、キャンドル作りを手伝いました。

 六郷のカマクラ行事では、天筆の代書もまた六郷高校書道部の生徒がボランティアで参加し行われています。こうした高校生のボランティア活動は、地域の伝統行事を通して、地域のことをあらためて考えるきっかけにもなってます。

 美郷若者会議は、このプロジェクトを行い高校生ボランティアが参加したことで、新しいプレーヤーが増えたという副産物も生まれました。今後は、高校生のアイデアを美郷若者会議で形にしていきたいということです。
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