仙北市で「聴覚障がいのある方にも、みんながお使いいただける田沢湖・西木観光マップ」が作成されました。
このマップを作成するきっかけとして会長の小松龍子さんのおよそ10年にも及ぶ思いがありました。
聴覚障がいを持つ方は10年前の調査でも全国に36万人いるそうです。
「耳マーク(聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマーク)」の表示は、仙北市内では市役所、銀行、JA、病院などに設置されていました。ほとんどが窓口への設置であったため、聴覚障がいのある方は中に入るまでマークの設置に気づくことはなく、利用をためらうケースもあったといいます。
令和元年に小松さんを会長として「聴覚障がい者のための観光マップを作ろう会」が設立され、聴覚障がいを持つ方に配慮した「耳マーク」の普及と玄関口への設置推進、そして「耳マーク」に対応できる施設が掲載された観光マップの作成に取り組みました。
事前調査から始まり、ワークショップや説明会、施設訪問など、マップ作りに至る前後途中の打合せを含めると本当に地道な取り組みでしたが、メンバーの熱意と労力がなんとか実を結びマップが完成。仙北市観光課、仙北市社会福祉協議会、仙北市観光協会も協力団体として関わり、秋田県南NPOセンターも企画段階から後方支援を行なってきました。
「耳マーク」の設置施設は昨年内に約50か所増え、現在は全部で65か所となっています。
今後は設置場所の拡大と施設の概要と連絡先一覧の作成などを検討していきたいと小松会長(写真左)。
聴覚に障がいがある方が観光をする際の心配ごとは「困ったときにどこに行けばいいかわからない」「宿泊施設で火事や災害があった時、館内放送が聞こえずに気づかない」などだそうです。非常時に聴覚障がいのある方も視覚的に気づくことのできる「室内信号装置(写真下)」の貸出も推進してきました。
聴覚障がいのある方のためにとても良い取り組みであることはもちろんですが、地域の観光においても、安心して訪れることのできる観光地としてファンを増やすことで、訪れる観光客の拡大にもつながります。
他地域への波及効果にも期待が集まります。
仙北市のホームページから引用
https://www.city.semboku.akita.jp/government/kouhou/2020/0601/koho200601_0124.pdf
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